今日は、私が八女で最もおすすめしたいスポットをご紹介します。

福岡県八女市黒木町――この地に、訪れる人すべてを魅了する圧巻の景色があります。それが、素盞嗚(すさのお)神社の境内に広がる「黒木の大藤」。
樹齢はなんと約630年。まるで時を超えて私たちに語りかけるように、毎年春になると豪華絢爛な花を咲かせ続けています。

歴史が息づく「長寿の藤」

黒木の大藤は、1395年(応永2年)に後征西将軍・良成親王がこの地を訪れた際、自ら手植えしたと伝えられています。南北朝時代、南朝再興を目指して九州各地を転戦していた良成親王。
彼が自ら植えたとされるこの藤の木は、なんと630年もの間、幾多の戦乱や大火を乗り越えながら命をつなぎ、今なお私たちの目の前で見事な花を咲かせ続けています。

余談ですが、藤は桜や梅に比べて、とても長寿だそうです。
桜の原種は、だいぶ長寿なものもありますが、ソメイヨシノはだいたい70〜100年。人間の寿命と近いですね。
梅も、花梅は70〜100年が一般的で、実梅は25年くらいだそうです。

藤の平均寿命は300年くらいらしく、黒木の大藤はだいぶ長寿なほう。
その力強い生命力は全国的にも知られており、1928年には国の天然記念物に指定されました。
この大藤は単なる観光スポットではなく、地域の人々の心の支えであり、日本の歴史を語る貴重な存在です。

一面を埋め尽くす藤の海

黒木の藤棚は広さ約3,000平方メートル。視界いっぱいに広がるその光景は、まさに圧巻です。満開の時期になると、1メートルを超える紫色の花房が無数に垂れ下がり、境内全体が幻想的な世界に包まれます。
さらに驚くべきはその香り。ふわりと漂う甘い香りが、訪れた人を優しく包み込み、視覚だけでなく嗅覚まで楽しませてくれます。多くの人が「写真で見るよりずっと感動した」と口を揃えるのも納得です。

近年は温暖化の影響で開花時期が少し早まる傾向があり、例年4月中旬から下旬が見頃です。自然が見せる最も美しい瞬間を逃さないためにも、事前のチェックをお忘れなく。

「八女黒木大藤まつり」で楽しむ春のひととき

黒木の大藤を満喫するなら、やはり「八女黒木大藤まつり」の期間がベスト。2025年は4月11日(金)~4月27日(日)でした。毎年、いつの間にか藤のシーズンが終わってしまっていて見逃してしまいますが、今年は見逃しませんでした!

昼は仕事で行けませんでしたが、夜間ライトアップには間に合いました。

19時~21時の間、ライトに照らされた藤の花は昼間とはまた違う表情を見せ、とても幻想的でしたよ。
4月19日には、和傘と竹灯籠を使った特別なライトアップが行われたそうです。その日にいけなくて残念。
3日くらいやってほしいものです・・・。

この期間は露店もたくさん出店していたり、地元酒蔵の蔵開きやスタンプラリーなど、家族連れでも一日中楽しめるイベントが満載です。

歴史散策も楽しめる

黒木の大藤がある素盞嗚神社の境内には、藤棚だけでなく歴史散策も楽しめるスポットがあります。特に注目したいのが「猫尾城跡」。これは中世の山城跡で、南北朝時代の戦いの舞台となった歴史的な場所です。藤の美しさに酔いしれた後は、少し足を延ばして歴史の足跡を感じるのもおすすめです。

また、大藤の満開時には「数千万もの花房が垂れ下がる」とも言われ、その光景は「国宝級」と称されることも。写真や映像では伝えきれないスケールと迫力が、そこには確かに存在しています。特に、私は写真が下手なので、うまく伝わらなくてすみません。

黒木の藤が教えてくれること

630年もの間咲き続ける黒木の大藤。その姿は、私たちに「変わらない価値」を改めて教えてくれます。時代がどれほど流れても、変わらない花を咲かせ、その時代の人を魅了してきたんだろうなぁと。
黒木の地で、壮大な歴史と圧巻の自然美に触れるひととき――一度体験してほしいです。

黒木の藤
〒834-1203 福岡県八女市黒木町黒木5−2

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